わたしの、ものさし

私の見たこと、聴いたこと、感じたこと、を書いています

1ヶ月後の風景

 先月、職場の同僚がヨーロッパに出張にいった。イタリアなどで、感染者が少し出ていた程度だったと思う。特段のアジア人としての差別を受けずに、何の支障もなく、無事に出張から戻ってきた。

 その1ヶ月後の今、イタリアをはじめ、フランス、スペイン、ドイツ、イギリスの主要都市の風景は無人化した。ヨーロッパ全域で新型コロナウイルス感染症が拡大しており、いわゆるパンデミックを起こしている。観光地で有名なイタリア、フランスの街は、ほとんど誰も歩いていない。ものすごくシュールで、SF映画を見ているようだ。

  1918年のインフルエンザのパンデミック(通称スペインかぜ)は、当時の世界人口が20億人程度だった中で約5億人が感染した。世界人口の25%が感染し、約5000万人が亡くなった。日本でも当時の人口5500万人に対し39万人が亡くなったという。時代は変わって、医療技術は発達したけど、国際間の人の動きも飛躍的に発達したため、感染拡大も迅速になっている。スペインかぜの歴史事実に鑑みると、同程度の被害が発生する可能性がある。

 つまり単純計算で、世界人口70億人に対し17億人が感染することになり、そのうち10%が重症化すれば1億7千万人になる。  

 たった1ヶ月でヨーロッパは変わってしまった。

 そして次の1ヶ月で、元の活気ある風景に戻るのか。または、もっと非現実的な風景が広がるのか。遠い地理的に遠いヨーロッパとはいえ、世界はいろいろな意味でつながっているので、文字どおり対岸の火事ではない。 

 しかし、日本は、感染拡大について麻痺して鈍感になってきている。無駄に騒ぐのは愚かだが、気を緩めて足元を救われるのはもっと愚かである。まだまだ緊張感をもっていくべきだ。