わたしの、ものさし

私の見たこと、聴いたこと、感じたこと、を書いています

メガネの落し物、見つかる

 一週間前、朝の通勤時にメガネをなくした。ジャケットの胸ポケットに差していたメガネがなくなっていることに気付いたのは、職場の席に着いたときだ。電車の中でメガネをかけた記憶があるので、車内で落としたに違いない。

 そこで、JRの駅事務室に仕事帰りに行って確認すると、該当するメガネの届け出はないという。時間差で届け出があるかもしれないので、しばらくしてからもう一度確認に来てほしいとのことだった。私が乗っている京浜東北線には、その日に36個のメガネの落し物があったそうだ。何万人という乗客からすれば、そんなものかもしれないが、1日に36個とは驚いた。

 その3日後、再び駅事務室に問い合わせると、該当するものが無いという。

 JINSの1万円しない老眼鏡だが、かといって軽々しく買うものでもない。しかし、ケースなしでそのまま落としたので、そもそも出てくるのか。諦めようかと思いつつも、自分の不注意で落としてしまった手前、どうにもメガネに申し訳ない気持ちが根強くて、乗り換える東京メトロで落としたのかもしれないと一縷の望みを託してメトロの駅事務室に伺った。

 結果、それらしいメガネがあるという。保管期間は今日までで、その後は警察に移送されるらしいので、その足で飯田橋駅の忘れ物総合取扱所に向かった。東京メトロでの拾得物はここに集まるらしい。

 結局、自分のメガネが見つかった。諦めずに探してみて良かった。落し物が見つかるということは、その過程でいくつかの人の善意が積み重なったことによる。そう考えると、この日本、東京も悪いところではないと改めて思う。