わたしの、ものさし

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釈放時の謝罪

 芸能人が薬物で捕まり、保釈されるときに、マスコミの前に立って謝罪することが常識の一つとなっているようで、これが無いと反省の色を示してないといった雰囲気ができてしまう。沢尻エリカがそうだった。

 沢尻エリカを擁護するつもりはないが、そもそもなんでマスコミの前に立って謝罪しなければならないのか。誰に対する謝罪なのだろうか。そこは疑問だ。

 薬物に関しては、錯乱して暴力をふるったり、危険運転をしたり、誰かに危害を与えない限りは、基本的に自分自身への害である。もちろん周囲への損害を与えるリスクは常に含んでいるので、個人の犯罪にとどまらず社会的な犯罪ともいえる。

 しかし、ピエール瀧にしろ沢尻にしろ、直接的に被害を蒙ったのは、CM広告会社や現在出演している番組とそのスポンサーなどの企業であって、一般国民でもファンでもない。(大河ドラマを楽しみにしていた多くの一般人から楽しみを奪ったことになるが)

 一方、芸能人の公共性の責任はあるかもしれない。その行為が多くの人に心理的な影響を与えるという点での責任だ。それはあるかもしれないが、果てしない草原に向かって謝罪するようで、目的対象がはっきりしない。

 そういうことで、釈放時のあの謝罪はなんだろうか、と思う次第。

おそらく有名人であるがゆえに、その行為、言動について何でも報告すべきというゴシップ根性と、ある種の僻みが混じっているのだろう。日本的というか東洋的な広く世間様への謝罪ということになるのかもしれない。

 私は沢尻エリカの謝罪が無くても気にならない。あってもその真意は誰にもわからないし。

 ただ、確実に言えることは、一番被害を受けてダメージが大きいのは本人である。他人(企業)への経済的なダメージを与えただけで済んでよかったし、薬物使用と今後の行く末を思うと、気の毒に思う。

 いずれにしても薬物は何らメリットがなく、健康上は言うまでもなく、経済的、社会的なデメリットしかないので、絶対にやらない方がよい。