わたしの、ものさし

私の見たこと、聴いたこと、感じたこと、を書いています

雪がちらつきそうな天気

 朝の通勤途中で、職場近くの駅を降りて歩いていると、たまに犬の散歩をしているおばあさんに行き会う。連れている犬は柴犬のメスで、人間で言うと50歳くらいのおばさんらしい。もの静かで可愛くて、その柴犬の頭を撫でたことがある。それ以来、そのおばあさんと行き会うと挨拶をするようになった。

 そのおばあさんは、以前は神戸に住んでいたそうで、今は東京にいる子供と同居することになり、引っ越してきたらしい。おばあさんいわく、東京は夏暑く、冬は寒い。せわしない感じがして、土地勘もないのでよくわからない。やはり住み慣れた関西の方が良いようだ。

 出身を聞くまでもなく、話す言葉が関西弁なので、関西の方だろうと思っていた。関西の方は、その雰囲気でわかる気がする。関東人に比べて、おおらかで、にこやかで、話が好き。構えずに、カッコつけない。見知らぬ人でも自然と世間話が出来てしまう。そんなノリが好きで、ゆえに基本的に関西人は好きだ。

 先日も、そのおばあさんに行き会った。

 寒空の下、いつものように柴犬の散歩。毛糸の帽子をかぶっていた。関西人特有の温かみのある調子で、

「今日は、雪がちらつきそうな天気ですね」と言われたのに対し、

 無愛想な関東人の私は、

「大丈夫です。今日は晴れです」と、天気予報のままの情報で応えた。

 天気予報は見ているだろうから、そんなの知っているに違いない。雪が降りそうな感じがするほど冷えてますねというある種、風情のある表現に対して、私の返しが単に晴れますよ、と無粋だったなと反省。