わたしの、ものさし

私の見たこと、聴いたこと、感じたこと、を書いています

ドゥニームに関する、まとめ的なメモ

(随時更新)※私の認識する範囲で書いてます。事実誤認があればご容赦ください。

 

 90年代におけるリーバイスのヴィンテージ復刻時期を学生として過ごしていた私は、ジーンズといえばアメリカ製の501を5千円程度で買っていたし、たまに値段の高い復刻版の501とか502を頑張って買い履いていた。ドゥニームの存在はかなり前から知っていたが、正直に言えば、ドゥニームに興味を示してジーンズを買いだしたのは、ここ数年のことだ。つまり、ウィゴーとなってからで、いわゆる旧ドゥニームのリアルタイムを知らない。ネットでは旧ドゥニームが良かったといった声が大勢を占めるのを見るにつけて、なぜリアルタイムでドゥニームをチェックしなかったのかと悔やみつつ、古着で旧ドゥニームを入手しだした。

 ところが、30周年を機に、ドゥニームが原点回帰して設立当初の質やデザインを再現するオリジナルラインを企画。旧ドゥニームにおいて大人気だったXXモデルなどを発売している。当時のものと比較ができないが、限りなく忠実に再現されていることを信じたい。

 以下は、ここ数年で一気にドゥニームのファンになったことを受けて、ドゥニームについてまとめて記録することとした。

 

ドゥニーム/DENIME とは

 1988年に設立された林芳亨(はやしよしゆき)氏によるデニムブランド。レプリカジーンズの先駆けとして知られている。ブランド名は「Denim(デニム)」の語源である15世紀フランスの織物「Serge de Nimes(セルジュ ドゥ ニーム)」<ニーム産のサージ生地>にちなんでいる。

 1950~70年代のジーンズの本質を徹底的に追求したモノづくりにこだわる。1988年、現在では入手の難しい50~70年代の隠れたジーンズの名品の数々をリメイク、その時代の空気を出来るだけ忠実に伝えたいという想いから始まった。

 その独特のざらつきを持った生地質感と色落ちの強い濃淡の美しさは、次第にジーンズマニアの間で話題となっていった。

 ヴィンテージジーンズの人気の興隆と共にレプリカジーンズブームが起こり、ジーンズマニアのみならず広く世間に認知され、ファッションアイテムに定着していった。

 ドゥニームジーンズの人気は、雑誌の中だけにとどまらず、店頭に並んでも即完売で常に品薄。令和の今では考えられないが、入荷時には店に行列ができたという。

 思い返してみれば、当時、パソコンもネットもスマホも無かった。そのような中で、レプリカジーンズを作るにあったっての情報収集、人との繋がり、関係者との交渉打ち合わせ、ファンへの展開には、相当の熱量が必要だったはずだ…

  ドゥニームの魅力の一つは色落ちの風合い。穿き込むだけで、自然と濃淡の落差が激しいジーンズとなる。この激しい濃淡の色落ちを目指し、洗濯をできるだけしないで履き続ける「根性履き」がレプリカジーンズブームにおいて発生した。

 

 ドゥニームのHPによれば、

ヴィンテージジーンズ再現のこだわりは、定番XX typeは1950年代のデッドストックのデニムを糸まで解体し、綿の産地や色、糸の番手、染め、縦糸横糸の打ち込み本数まで調べつくし、デニム生地とともに色褪せする縫い糸の開発といった調査、分析、研究がされたようだ。

 また、1988年から89年にかけて生産された初のXXタイプはわずかに144本のみ。プロトタイプを作成してから本生産に入るまでに6ヶ月を要している。色落ちの状態を確認してようやく生産のGoサインが出されたそうだ。

 林氏の声掛けで開発された綿糸は、やがて日本のジーンズメーカーでも使用され、今やリーバイスもそれを採用しているらしい。ヴィンテージライクなジーンズが現在存在するのは、林氏のおかげと言える。

 

ドゥニームの経営母体の変遷

1988年 オリゾンティ社にて「DENIME」創立

2005年 シンズ社が買収

2009年 ウィゴー社が買収

 現在(2020(令和2)年)に至る。

※2010年 林氏がドゥニームから離れてリゾルトを創立

 

 バックポケット内のタグに「D-HG1118」と記載されているのをたまに見かけるが、1988年より前の製品となる。単純に30年以上前のものとなるので、それだけでもレアで貴重といえるかもしれない。30年という月日は、1960年代のリーバイスを1990年代に復刻する期間に相当するのだから。

 

 ちなみに、エビスジーンズの山根氏は、林氏の弟子筋。フルカウントの辻田氏、ウエアハウスの塩谷氏は、山根氏のもとで育ったらしいので、林氏の孫弟子にあたるだろうか。とにかく林氏は日本のレプリカジーンズの源流であり、日本におけるジーンズの神様と呼ばれる存在である。その林氏がデザインを担当し創立にかかわったのが「ドゥニーム」である。

 

ドゥニームジーンズ製品

XXモデル(50年代のXXをイメージした定番)

XX type2

66モデル(66後期をイメージ)

66XX(XX生地仕様の66ディテール)

66ローライズ(66をローライズバージョン)

大戦モデル

501Z

502

505

517

805XX(XX生地使用の805

・・・この他のモデルや周年記念モデルなど多数存在する。

 なお、現在のウィゴーでは、XX、66、805XXそして66XXの4タイプを展開している。

 

 旧ドゥニームにおいて、パッチには「501」などのモデル名が入っていない。販売時についている商品タグには書かれていただろうが、中古ではシルエットや仕様でモデルを見極めるしかない。

 ヴィンテージジーンズのディテールに詳しい人が見れば、何のモデルかは分かるようだ。それだけ再現性があるということになる。しかし、一見してモデル名が分からないところも、ドゥニームに奥深さとややこしさを与えている。

 

各モデルの特徴

オリゾンティ又はシンズのもの)

●XXモデル

後ろベルトループ中央がオフセット

フロントボタン部分がVステッチ

コインポケットが耳付き

バックポケットに隠しリベット

革パッチ(WLの数字、LOTに3ケタの数字とアルファベットが1文字又は2文字)

※ヒップから腿あたりはややルーズで太め。

エストをジャストサイズで履くと意外とルーズな感じがしない。

 

●66モデル

フロントボタン部分が平行ステッチ

バックポケットの裏にバータック

コインポケットにカミナリの捻じれが発生

(コインポケットとその台となる生地の綾の方向が違うために生じる)

紙パッチ(数字は一切なし)

※全体的に太すぎず細すぎないストレート

 

●66XXモデル

フロントボタン部分が平行ステッチ

バックポケットの裏にバータック

革パッチ(WLの数字、Lotに3ケタの数字とアルファベットが1文字又は2文字)

ポケットはやや小さめで少し縦長気味か。

※XX生地でシルエットが66というハイブリット。全体的に細身のストレート。細身で収縮率も大きいためか、66のジャストサイズよりもサイズが大きめになる思う。

 

●Aタイプ

紙パッチにLotに「178」、その上に「A」の文字。

WとLに数字の表記あり、とパッチが特徴的で判別しやすい。

概ね66と類似するが、ポケットは66よりもやや幅広か。

 

●XXモデル タイプ2

XXモデルとディテールは同じで、股上が浅め、全体的にXXタイプよりやや細身

 

●805XXモデル

全体的なシルエットは股上浅めで、細身。

革パッチでLot、W、Lに数字あり。

フロントはVステッチ。

ボタンフライで、ボタンの色がシルバーではなく褐色。

 

●大戦モデル

全体的に太目のストレート。

フロントボタンが月桂樹のドーナツボタン。

 

≪更新続く≫