わたしの、ものさし

私の見たこと、聴いたこと、感じたこと、を書いています

山で道に迷うこと

 奥武蔵の低い山にハイキングに行ったとき、ちょっとした勘違いで登山道から外れてしまい、結果としてはグルっと回って登山道に戻ったことがある。登山者の多い初心者向けの山であるが、そんな山で、少しの間、道に迷った形になる。しっかりした山で、道に迷い遭難することを耳にすると、なんでだろうと思うが、道に迷ったことを経験してみて、こういうことかと実感した。

 道の分岐において、正しいルートとそうでないルートがある場合はしっかり位置と方向を確認するに越したことはない。自分が間違ったときは、こっちだろうと高をくくってささっと進んでしまった。迷い道に入る場合、大概正しいルートに見えるので注意が必要だ。人が多いからといって、油断はできない。低い山とはいえ、人に比べれば広大なエリアだから、迷い進めば痛い目に遭う。

 

 キャンプ場を含む自然豊かな場所で、子供が行方不明になる事件がたまに発生する。同じ子を持つ親としても、道志川沿いのキャンプ場で小学1年の子供が行方不明となったニュースが気になっている。不明となって6日目。大人でも山の中で6日間、装備なしで過ごすのは過酷だ。まだ暖かい時期とはいえ、朝晩は気温が下がるから、体力の消耗が激しいだろう。

 しかし、オートキャンプ場でなぜ行方不明になるのか。自分がハイキングの山で迷ったのと同じように、ほんの些細なところで間違った方向に進んで迷ってしまった可能性がある。それにしても、大人数の大人が数日捜索しても見つからないのが不思議だ。

 しっかり探しているだろうが、まさかここではないという予断は禁物。実際は想定しないことで事故は起こったりする。流れがゆるく浅い川でも溺れることはあるし、急な斜面でもなんらかの理由で登ったかもしれない。ふつうは近寄らない危険な崖であって、夜間は真っ暗だから、その下に落ちているかもしれない。半径何キロと決めたら、その範囲は隙間なくしらみつぶしに確認する必要がある。

 

 多くの方々が懸命に捜索していることに敬意を表するが、1点、疑問を感じることは、捜索人員の逐次投入である。

 捜索も戦争も同じで、状況に応じて人員を徐々に増やすことをしてはいけない。最初から想定できる全戦力を充てて、一気に優勢を得るのが兵法の道理。

 行方不明の捜索の場合、日が経つにつれて子供のリスクは高まるので3日目よりは2日目で見つけ出すべきだ。そうすると、初日の捜査から警察、消防、自衛隊、ボランティア参加の呼びかけなど、できる限りの人員を投入した方がよかったことになる。最大限人を集めて大騒ぎして探し、結果、すぐに見つかった場合でもそれでいいのだ。1000人で1日の捜査で済めば、300人で6日の1800人よりも人手が少ないし、何より短期間で子供を救い出すことができるのだから。

 とにかく、捜索されている全ての方の安全と不明の子供の無事保護という報道がされることを祈る。