わたしの、ものさし

私の見たこと、聴いたこと、感じたこと、を書いています

ゲーム・オブ・スローンズ

 Amazon fire stickを家のテレビに取り付ければ、アマゾンのプライムビデオが見られる。コンテンツは豊富で主に海外ドラマを見ている。そのため、地上波のテレビ放送をほとんど見なくなった。

 こういう動画配信を体験してしまうと、今後のテレビの姿が大きく変わる、あるいはなくなることが容易に想像できる。

 アマゾンプライムビデオは、プライム会員であれば利用すべきサービスだろう。

 最近見始めた海外ドラマは、「ウォーキングデッド」「スーパーナチュラル」など、過去に観たものをシーズン1から観ている。また、いまさらながら「ゲームオブスローンズ」を初めて観ている。これが面白くてはまっている。

 「ゲームオブスローンズ」(略して「GOT」)は、ヨーロッパの中世をベースにファンタジー要素を盛り込んだ架空の世界の壮大な物語である。物語は複雑で多岐にわたるが、簡単に言ってしまえば、複数の国が王座を奪い合う権謀術数の話だ。ただ、中世がベースということもあるのか、残酷で、グロくて、エロくて、差別的な表現や倫理に反するようなものが頻発で、年齢制限無しで大丈夫だろうかというかと思う。(子役が子役を殺すなどもあったし)しかし、人間の生々しい感情や行動がにじみ出ているともいえ、その意味で凄みを感じる作品だ。

 登場人物もさまざまだ。

 GOTを既に見ているファンの方は、それぞれにお気に入りの人物がいるだろうし、ドラマを見ながら手に汗を握って応援しているだろう。

 シーズン5まで見た私のお気に入りは二人いて、ジェイミー・ラニスターとティオリン・ラニスターだ。ジェイミーは、当初いやなやつだと感じたが、捕虜になり傷を受けて王都に戻った後、印象が変わった。ティオリンも嫌なやつという印象だったが、頭の良さとユニークな感覚がたまらないし、軽薄そうで情に厚かったりする。また過去からの暗い葛藤を抱えているところもあって、人物の厚みが出ている。

 逆に、不愉快な人物も二人いて、ジェフリー・ラニスターとラムジーだ。ともに心底意地が悪く、残忍残酷である。フィクションのドラマとはいえ、見ていて本当に嫌になる。

 また、どうなっていくのだろうとドキドキする人物は、アリア・スターク。貴族の子女ながら奇妙な放浪の旅の果てはどうなるのだろうか。

 もっとその活躍を見たかった人物としては、ドーンのオベリン・マーテル。武芸達者ではあるが皮肉っぽく背信的なところもあるが、おおらかでスマートなセンスに惹かれるものがある。野人のイグリットや、ロブ・スタークの妻となったタリサの活躍も見たかった。

 とにかく、激動の王座と権力をめぐる人間模様で、人がすぐに死ぬ物語である。

君の名は。

 「君の名は。」は、昨年の夏に記録的なヒットになった映画だと知っていた。しかし、スルーして映画館で観ずにいた。

 昨年の秋、同僚の実家の岐阜県に遊びに連れて行ったもらった時に、映画に出てくる駅だと教えてもらい、飛騨古川駅を訪れた。映画を観てないので、どういうシーンで出てくる駅か分からず、何の感慨もなかった。観光客はそれなりにいた。

 

君の名は。」のDVDがレンタルリリースされ、TSUTAYAで借りて観た。

ヒットしたあの映画は、こういうストーリーだったか。そうか、昨年訪れたあの駅は、主人公の一人が想いを抱いて東京へ向かう際に使った駅だったのか。

 

 この映画は、一部で批判もあるようだが、私は好きだ。

 恋愛ドラマというよりは、時と場所の交錯するところが物語として絶妙。いろいろな伏線が上手に絡み合ってストーリーが構成され、何より、よかったね~って思える結末で安心する。

 

 

 

貝原益軒の「養生訓」は、現代でも通用する健康指南書

 日本史の教科書に登場する貝原益軒の「養生訓」を、ふとしたきっかけで読んでみようと思いたち、図書館で借りた。

 

すらすら読める養生訓

すらすら読める養生訓

 

 

「すらすら読める養生訓」は、本当にすらすら読めた。

 感想を簡単に言えば、健康への気遣いとか健康のコツは、江戸の昔から今と変わらないし、現代でも十分通じるノウハウ。もっといえば人生哲学が書かれている。

 まず冒頭から目からうろこだった。

 「老い」とは江戸時代では現代ほど嫌われていなかった。むしろ尊厳の対象であり、幕府や村の役職も、「大老」、「老中」、「年寄」とされている。「老」は年齢的に高齢という意味ではない。「知恵のある有能な」という意味合いが、江戸時代の「老」にはあった。老いを良い意味で捉えていたのが前提。

 ゆえに人生の前半ではなく後半に本当の幸せや楽しみがある。そのために健康を維持し長生きをしよう、そこで「養生」が若いころから大事だと繋がる。

 興味深いのは東洋的な哲学を軸にして、当時入り込んできた目新しい西洋医学をやや斜に構えて見ているスタンス。特に薬は使うな、というくだり。

 また、養生というからには、まず食事や肉体管理から始まるかと思いきや、最初は心の養生から始まるあたりに感心してしまう。そういう点でも現代の健康書として十分に通用する。

 病気は自然に治るものが多い。死病は薬を用いても治らない。薬の多用はかえって悪化をまねくことが多い。この辺は、医療過剰?の現代では顧みる必要があるかもしれない。

自分の体の治癒力を高めることを常として、「静養して待つこと」が病気への対処として重要とする。そもそも病気にならないように気を養うことがもっとも大事。そんなことが養生訓に述べられてる。

 養生訓に出てくるキーワード「気をめぐらす」「元気を養う」「呼吸を整える」などは、ヨガにも通じる。具体的な養生の道は、多くの人に「養生訓」で読んでいただきたいし、読む価値があると思う。

 

 

 

ドラマ「カルテット」が面白い。

ドラマ「カルテット」が面白い。

たまたま「マツコの知らない世界」を見ていて終了し、CM無しで、いきなりこのドラマが始まり強制的に見てしまった第一話。

そのドラマの世界観に弾き込まれてしまった。

 

松たか子満島ひかり高橋一生松田龍平が共演し、その4人の絶妙なセリフ回しが独特の世界。ドラマの設定もいいが、舞台が週末の軽井沢の別荘というのもいい。

 

また、演技派の4人が歌うエンディングが渋い。

私の、今年、たぶん一番のドラマになる。

 

 

カルテット1

カルテット1

 
TBS系 火曜ドラマ「カルテット」オリジナル・サウンドトラック

TBS系 火曜ドラマ「カルテット」オリジナル・サウンドトラック

 

 

バーニー・サンダースのスピーチ

  アメリカ大統領選挙は、ヒラリーとトランプに絞られた。私はバーニー・サンダースに期待していた。

 外国、特にアメリカの政治家は、しばしば人の情感や心に訴えかける演説をする。日本ではあまり見られない光景で、羨ましく思う。スピーチ(演説)は大事で、その力で物事が変わることって多い。

 

本日は、お日柄もよく (徳間文庫)

本日は、お日柄もよく (徳間文庫)

 

 

 西洋の価値観は、正義とかモラルで、選挙では人の尊厳や権利まで踏み込む。歴史的に絶対王政から民衆革命を起こして民主主義を勝ち取った経緯は、その後の人々の中に遺伝子として息づいている。

 一方、日本は有史以来、王や天皇、幕府といった絶対的な「お上」があって、それに服従する価値観がいまだに根強い。身近なところではいわゆる村社会で、共同体で決めたルールや長が絶対であり常識。個人の権利よりも世間一般の利益が議論され、ルールから外れることはタブーとされてきた。ゆえに欧米での政治的なスピーチがされにくいのかもしれない。

 

 今回のアメリカ大統領選挙でも人の権利とか社会の正義が語られる。おそらくプロのライターがいるのかもしれないが、バーニー・サンダースのスピーチを聞いて、惹かれる人は日本でも少なくないと思う。

 


「正義とは」バーニー・サンダース 2016年 (日本語字幕)

 

 サンダースの主張の一つに、ごく少数の富裕層が多くの富を所有していることの不正義がある。私は、正当な労働や事業を行い、その結果として膨大な富を得ること、富が偏ることは公平だと考える。その結果は、相応の何かを人々や社会に提供し て発生したもの。

 ただ、それを独占しすぎるのは人や法人として美しくはないと思う。個人の資産として十分に蓄えつつ、個人的に使いきれない部分、剰余の剰 余は社会に還元する。それで多くの人に感謝されるならいいじゃないかと思う。貧富の差はあっても、結局は富めるものが自然と還元していくそんな世であれば 良いなと思う。

 

バーニー・サンダース自伝

バーニー・サンダース自伝

 

 

 街中の豪邸を見ると、高い壁に監視カメラが並ぶケースをよく見かける。豪邸に住む彼らは、何に警戒し何を恐れているの か。びくびくし緊張しながら広い家に住むことって幸せなのだろうか。地方の田舎のありふれた家で、そのコミュニティーが平穏で長閑なため、夜間も玄関のカギを閉めない暮らしの方が、人としての 幸福度が高い気さえする。