旧ドゥニームと現行ドゥニームを比較。(66、66xx)
最近、ドゥニームのジーンズに関心がある。ジーンズファンからすれば「今さらドゥニームか?」という声が聞こえてきそうだ。そう、今さらながらドゥニームでございます。
ドゥニームは経営体制が何度か変わり、現在は昔の製品と違うらしい。そして昔の製品は一部のファンに今でも根強く、古着市場でもそれなりの価格で取引されている。
ドゥニームが一世を風靡したのは1990年代から2000年代の初め、レプリカジーンズ全盛のころだ。ドゥニームの変遷として、経営母体がオリゾンティー、シンズ、そして現在はウィーゴと変わった。
ファンの間では、シンズまでが「旧ドゥニーム」と呼ばれており、旧ドゥニームは現行よりも質や風合いが良かったとされる。
ジーンズ界の神といわれる林芳享さんが経営に関わっていたのがシンズまでらしい。(林氏は現在リゾルトというジーンズブランドを立ち上げている)
一方、今のドゥニームは「現行ドゥニーム」といわれ、昔からのファンは手厳しい評価を下している。すなわち「質が落ちた、別物になった」と。
ヤフオクで旧ドゥニームの製品をいくつか購入した。もう製造販売されていない点で、すでにヴィンテージ扱いかもしれない。ヤフオクでは、状態が良ければドゥニームのジーンズは高値で取引されている。
そこで、旧と現行の66と66xxを所有しているので、比較し、気づいた点をまとめてみる。(2016年8月現在)
1.サイズ感
まず、同じタイプの同じサイズであっても、サイズ感が違う。生地が変わって収縮率などが変わったためか、あるいはパターンが変わったのか。
66と66xx両方に言えるが、旧より現行の方が若干大きいと思う。ワンサイズの差まではいかない。とにかく、現行を買う場合は、旧のサイズ感は参考にならないかもしれない。(もっとも、どんな場合でもジーンズは試着して買うに限る)
【ワンウォッシュはまだ縮む】
なお、私の経験からすれば、メーカーの製造ラインで洗濯・乾燥されていて、もう縮まない状態とされる「ワンウォッシュ」は、購入後、乾燥機にかければもうひと縮することが多い。よって店頭でワンウォッシュを買い、その場で裾上げしない方が無難。これは、どのブランドでも同じことが言える。
(ちなみにドゥニームは何度でも裾上げに無料対応してくれるので素晴らしい)
2.シルエット
これはサイズ感の相違と生地の相違に連動するかもしれない。噂によるとパターンは旧と同じものを引き継いでいるらしい。ただし、同じパターンでも生地が変われば縮み具合も変わるので、シルエットも連動して変わることが考えられる。現行は若干シルエットを変更したような気がする。
66xxに関して言えば、確かに別物のようなシルエット。まず、現行は股上が浅目(フロントボタンの数は現行の方が少ない)になっている。太もも回りがやや余裕がでてきいる。股上が浅くなった割に、ウエストがタイトになっている感じがするので、現行モデルならば、旧モデルのサイズよりも1サイズ上を買うことになるかもしれない。
いずれにしても、シルエットは変わっている。個人的には旧モデルのシルエットの方が好みだ。
3.生地の質感
旧ドゥニームのファンの多くは、現行の生地は質が落ちたという。確かに生地が違う。旧のものは表面のザラつき感がある。懐かしい感じのする生地(昔のリーバイスがそうだというわけではない)。糸番手が現行より少し太いのだろうか、その分、生地が柔らかい感じだ。色味は深く濃い。
現行の生地はザラつきは少なく、ツルっとした生地。質感が良くないとファンはいうが、旧とは別物として捉えれば、まるっきり悪いわけでもない。
生地の厚み(オンス)は、旧と現行で変更があったらしいが、質感が変わったインパクトが強く、厚みの違いはあまり感じられない。オンスが軽くなった(薄くなった)とされるが、現行66xxの生地でも十分厚く重い。
旧と現行は別物の素材だが、良し悪しとするのは、結局、好みの問題といえる。(私は旧が好み)
4.バックポケット内のタグ
旧と現行を比較すると、現行のタグは安っぽくシャキっとしていない。Tシャツにつくナイロンタグのようでポケット内で安定しない。この点は旧の方が美しいし、優れている。
5.バックポケットの赤タブ
赤タブは旧にはあって、現行にはない。タブもステッチもないので後ろ姿がさびしい。見た目、ファーストファッションのジーンズと変わらない。大人の事情があるのだろうが、赤タブくらいあってもよいと思う。
【まとめ】
旧と現行とでは、別物。旧の方が趣きのあるジーンズだった。
好き嫌い、優劣は個々人の評価の問題だが、私としては旧の生地が素晴らしいと感じる。
リーバイスは、時代とともに501の素材もデザイン、ディテールを変えてきた。それと同様で、どの時期のどのタイプが好きかということだ。古ければ良いわけでもなく、新しいものが良いわけでもない。