わたしの、ものさし

私の見たこと、聴いたこと、感じたこと、を書いています

初めて裁判を傍聴した。

 争いといえば、先日、仕事の関係で某裁判の判決を傍聴した。

 裁判の傍聴に行ってきて、と上司から急に言われて戸惑った。今までに裁判を傍聴したことがなく、裁判所の場所や裁判所への入り方、傍聴の手続を知らない。裁判の現場を見ることは、気になる店に初めて入るのとは訳が違うのだ。

 時間が迫っていたので地下鉄に乗り、東京高裁に向かった。結論からいえば、裁判の傍聴は簡単だった。

 裁判所に入るには、飛行機搭乗時のセキュリティーチェックはあったが、誰でも簡単に入ることができ、本日の公判情報のパネルを見て、興味関心のある裁判を基本的に事前予約なしに簡単に傍聴できる。(社会的関心の高いニュースにでるような裁判は、傍聴する際は抽選らしいが)

 裁判の傍聴が簡単にできることを実体験して、思ったことは2つある。

 1つ目は、当然ながら日本は開かれた裁判制度であること。国によっては、そもそも公正な裁判制度自体が無い。

 2つ目は、開かれた裁判であるがゆえに、全く知らない第三者が傍聴することで、裁判の中の発言で、原告、被告の個人情報や状況を知り得てしまう怖さだ。判決理由には、それぞれの主張とそれへの裁判官の判断が説明されるが、事細かに説明されている。もちろん法廷内は撮影や録音は禁止だが、聞いているだけでもいろいろと生々しい事情を知り得てしまう。入った法廷には数人の傍聴者がいた。事件との関係が不明だが、中には裁判傍聴を趣味として、片っ端から傍聴している人もいたのかもしれない。

 

 人生初の裁判の傍聴(刑事事案)をした感想としては、一応、大学の法学部を卒業した私としては、罪刑の構成要件の争いは、その議論を詳しくは理解できないが、なんとなく言わんとすることについては感覚的に分かった。また、裁判を巡る人生模様まで出てきて人間味溢れ、ドラマチック。面白かった。機会があれば、また傍聴するのも良いだろう。

 傍聴するならば、様々な人の人生に大きな影響を及ぼす場に立ち会う以上、それなりのきちんとした態度と気持ちで傍聴に臨むべきだろうと思う。