関東三十六不動 25番 皿沼不動尊、26番 西新井大師、12番 志村不動尊
この日は残暑も優しく爽やかな秋晴れで、サイクリング日和だった。そこで、自転車で都内の近場の札所を目指すことにした。
国道122号から荒川サイクリングロードに入り土手の上を走る。地図を見ながら、皿沼不動尊を目指す。土日の都内の道は比較的交通量も少なくて、道によっては走りやすい。
■25番 皿沼不動尊 龍光山 永昌院
大通り沿いにある永昌院には1時間程度で到着した。
参道や庭園はなく、通りからすぐに建物の階段を2階へ上り、ご本尊安置の本堂となる。大きなご本尊を間近で拝むことができる間取りで、参拝者としては非常に有難い。
同じく三十六不動めぐりをされている老人も後から入ってきて、お不動さんの真言を唱えていたが、すぐに出て行かれ、基本的に参拝者は私ひとりだけの状態だった。
続いて、西新井大師へ向かう。
皿沼不動から自転車で15分程度の近さだった。
三十六不動めぐりをして色々なお寺を訪れることになるが、規模や賑わいやご対応の仕方などは、お寺によって本当に様々。
西新井大師は、関東三大厄除け大師だけに、境内は広く、縁日でもないのに参拝客が多い。参拝時に護摩焚きが始まったので、本堂に入り、休憩しながら様子を拝見させていただく。護摩焚きが始まると、ご本尊の扉がおそらく電動で開いた。ハイテクなご時世だなと思いつつ、ご本尊はいつでもオープンにしてほしいなとも思う。
関東三十六不動巡りの御朱印は、専用の表紙に閉じるタイプで「差し替え式」の専用の用紙に御朱印をいただく。そのため、関東三十六不動巡りをしている方は、それと分かりやすい。ここでも、三十六不巡りをされている年配の夫婦に会った。すでに多くを回っているようで、巡礼は結構大変ですよ、とおっしゃる。そうですよねと答えたが、埼玉、東京、千葉、神奈川に36カ所が広く散っているので、すべて巡るのはそれなりのエネルギーが必要だ。
ここで、写経を忘れたことに気が付いた。お寺で御朱印をいただくときに、納経しようと夜な夜な写経しているのに。
環七を走って志村不動へ向かう。
環七を自転車で走るのは怖い。自転車道が走る路肩スペースが狭く、すぐ横を容赦なく自動車が走っていく。環七は自転車乗りに優しくない。できれば環七は自転車で走りたくはない道だ。
国道17号沿いの「志村」付近を目指す。自転車と停めて、地図を見るのが面倒なので、大まかな検討を付けていく。神社仏閣は、都心であっても大概は大きな木があるし、大きな瓦屋根も目立つので、数十メートルまで近づけば、なんとなく分かる。
国道17号沿いにあるこの寺はコンパクトながらも落ち着いていて静かな境内で気持ちが良い。本堂は近代的な建物だが、参道の雰囲気や古びた石仏に歴史を感じる。本堂とは別の不動堂もとてもいい感じだった。
このお寺には、見覚えがあり、いつか来たことがある気がした。記憶をたどると、知人の葬儀がここで行われ参列したのを思い出した。彼は若くして病気で亡くなった。もう6年くらいになるだろうか。