経済的な投票権
「ユニクロ」が苦戦し「しまむら」が好調らしい。しまむらは小ロットで多種を展開。在庫管理を各店で共有し、売りつくす。ユニクロは種類を少な目にロットを多くして低価格路線。ユニクロの服がかぶる現象も消費者に嫌気が出てきたのかもしれません。
ところで、以前、ユニクロに以下の趣旨の意見を送ったことがある。
・貴社の製品は外国での生産により、低価格を実現している。それは消費者にとって良いことではある。
・一方で、日本の服飾業界の職人のレベルは高く、この技術は未来に継承するべき。
・貴社のグローバルな生産戦略で、この日本の服飾製造職人が駆逐されるならば、とても残念なこと。
・また、日本の職人の能力は質が高く、その技術に見合う報酬を彼らは得るべきで、それが国内産業の健全化になり、職人技術の継承につながる。
・ゆえに、貴社においても、国産ラインの高価格、高品質帯を展開してはどうか。
・安さが強みならば、貴社はいつかきっと行き詰る。商品の魅力に価値があることを消費者が気づきだすから。
ユニクロからの返事が返ってきました。
確か、現時点で日本製の展開は企画しておりません・・・貴重なご意見ありがとうございます。と。
私は、多くの服を持ってはいませんが、服は好きです。
たとえば日本製のシャツを買おうとすると、1万円を超えたりします。生地が良く縫製もしっかりしているので価格に見合うとは思いますが、ユニクロの2千円のシャツを見てしまうと心が怯みます。
アパレル関係の人ならば分かると思いますが、まっとうな手間と素材を使って日本で作れば、シャツは1万円を超えてしまいます。(私は、靴作り教室で、靴作りの手間を体験しているのでよく分かります)
外国でユニクロの服を作る人たちは、仕事を得て経済的に助かっているのかもしれませんが、いわゆる先進国の人たちの財布は守られるような仕組みにも思えます。
服ってそんなにすぐには壊れません。それに余分なモノを持ちすぎています。だからちょっと高めでもフェアーに作られたものをチョイスして、少しのものを大事に長く使うスタンス。これがもっと広がって欲しいです。
より少なく、より良いものを。
今持っているユニクロの服は大事にしましょう。
でも、これからの選択を大事にしましょう。
ファーストファッションを買う5個のうち1個でも、その選択にチャレンジして欲しいと思います。できれば国産の質の良いものを探してほしい。それは食べ物でも言えそうです。
これは経済的な「投票」。我々は、この投票権を毎日どこででも使えます。
我々消費者のこんな小さな選択が、世界の経済(社会や仕組みを含む)を変えると信じています。