ダウト過ぎる「恐怖映像」 - 恐怖映像制作というビジネス -
夏になると「恐怖心霊映像」っぽい番組が出てくる。子どもと一緒に何となく見てしまう。そこで、私が書くまでもないが、「恐怖映像」のほとんどがフェイク、作り物だ。
どうしてそう思うのか、理由といくつかの典型パターンを挙げてみたい。
もっとも、あの手の番組の映像が本物だと思う人は、ほとんどいないだろうが。
【理由】
映像の構成が、製作の意図丸出し。「怖いものを撮るために撮りました」的で、視聴者を怖がらせるための作りになっている。
【パターン】
○「あるもの」を撮影する意図が明白な構成で、撮影状況が不自然。
・たとえば深夜のドライブ中、他愛もない状況のなかで車内で撮影している。(ふつうは撮影しないだろう)ドライブ中、道端を歩く女性を発見。声をかけると女性が・・・というパターン。
※その女性(演技者)を撮るために、不自然な深夜のドライブ車内撮影がそもそもおかしい。
・心霊スポット(らしき場所)に友人たちと肝試しにいく。その道のりを撮影している。これはあり得るだろうが、友人の一人の様子がおかしくなるのを冷静にカメラで撮影し続ける、まるでホラー映画製作の撮影のように。
※状況がおかしくなればカメラは脇に抱えて警戒するだろうし逃げるのが自然だが、何かを撮影するために撮っているのだ。
・日常でも旅先でも、なぜか友人を撮影。そして「怖いもの」が映る直前に、なぜかカメラの向きが前後左右のいずれかに振れる。
※幽霊役が突然現れる間の確保が見え見え。
○くっきり映り過ぎ。いかにも見る人が「怖いもの」が登場。
・幽霊の類を見たことがないが、映像にはっきり映りすぎる。かつ、見る人が怖がるものが登場する。
たとえば、血まみれの顔、グレーの顔、怖い形相の老女、恨めし気な顔、幽霊のアイコンが登場する、ホラー映画のように、CGで作成し挿し込んだように。
ごく普通なものが映り込んでいる方がリアルだと思う。
※CG、特殊映像技術が発達して、如何様にも恐怖映像メイキングができる。
○恐怖映像というバラエティーでなく、事件性のあるもの
・深夜のオフィスで一人で残業。突然、なにかが登場してその人の足を引っ張ってどこかに行ってしまい、行方不明に。その様子が監視カメラに映っている。
非常に怖いシーンだが、人が行方不明になったら事件であって、捜査1課の仕事だ。恐怖特番ではなく、ニュースに流れるはず。
※フィクションですと言っているのと同じ。
・うえと同様で、なにかに襲われてダメージを負う(暴行、傷害罪)、あるいは行方不明、死亡した云々というオチが含まれる恐怖映像もの。それはもう事件であって、恐怖特番ではなく、ニュースで報道されるべきだ。
※つまりフィクションだから放送できる。
とまあ、バラエティー番組の恐怖映像は、「バラエティー」です。
恐怖映像制作職人もいるほどで、意外と繁盛しているようですね。