真田丸12話目 等身大な姿に共感してしまう
大河ドラマは毎年見ている。今年は「真田丸」。鉄板の戦国モノで、脚本が三谷幸喜。三谷幸喜だと大河ドラマっぽくないという批判もあるようだが、個人的にはアリだと思う。確かに大河らしくはないが、ドラマは幅広く楽しめればいいし、それで歴史とか時代モノに興味を持つ子供たちが増えるならば良いと思う。
もうすぐ半分が過ぎるが、私が好きなのは、第12回「人質」の回。
孤立した真田は後ろ盾を求め、義に篤い越後の上杉を頼るが、幾度か信頼を損なう振る舞いを真田がしたため、上杉景勝も同盟を渋る。
そこで、真田昌幸は人質として息子の信繁(幸村)を上杉のもとに送る。
伝え聞く歴史としては、信繁はその機転の良さを景勝に気に入られて、人質ながらも大事に扱われたらしいが、その様子は三谷の脚本の中の「鉄火起請」のくだりに描かれている。素晴らしい。
この回が好きなのは、上杉景勝の等身大な姿が表現されていること。無口ながらも武勇、知略に秀でた大名とされ、隙のない大名と描かれてもよいのだが、三谷はそうしない。偉大な謙信の後を継いだ景勝は、信玄の後継者勝頼と同様に大きなプレッシャーもあったろうし、家中をまとめるに気苦労があったと想像する。
優しくて義にあつい景勝だが、なかなか実力が伴わず自身で煩悶する様子は、信繁にいわせれば「慕わしく」思える。
景勝と信繁、そしてクールな直江兼続のやり取りが心地よい。そんな12話目が私のお気に入りでございます。(記載所要時間:10分)