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わたしの、ものさし

私の見たこと、聴いたこと、感じたこと、を書いています

映画「ミケランジェロ・プロジェクト」 戦争の裏での、人類の財産を守る戦い

 予告を映画館で観たときから気になっていた「ミケランジェロ・プロジェクト」をDVDで鑑賞した。

 


美術品を取り戻すべく立ち上がった男たちの物語!映画『ミケランジェロ・プロジェクト』予告編

 

 この映画は実話に基づいている。
 第二次世界大戦時、ドイツのヒトラーは侵略地域にある重要な美術品や文化遺産の収集を指示していた。ドイツに博物館の建設して展示するためだった。しかし、ドイツが戦争に敗れる場合は、すべて破壊処分をする指示も出していた。
 そこで、人類にとって重要な美術品を戦禍で失うことを危惧した学者たちが立ち上がる。
 アメリカ政府や軍に意見し、特殊部隊「モニュメンツ・メン」を結成。学者、武術関係者が戦闘には不慣れながらも、ドイツ軍から美術品の奪還に命を懸ける話である。


 戦争で多くの美術品が焼失してしまったことを、この映画で改めて知った。
 被害があったのは絵画や彫刻だけではない。歴史的に重要な教会や城などの建造物も破壊された。意外なことに、破壊したのはドイツ軍だけではなく連合軍も含まれる。敵が身を隠しているならば、文化遺産であっても攻撃、破壊目標になるのだ。
 そういう意味で、この映画は、ありがちなドイツ軍が悪いという色が薄めになっていて、戦争そのものが人類の美や財産を台無しにする敵としている。

 映画の冒頭で、ミラノのサンタ・マリア教会が連合軍の空襲で崩壊し、ダヴィンチの「最後の晩餐」が崩れる寸前の様子と、瓦礫の中でその「最後の晩餐」の崩壊を防ごうとするイタリア市民の姿が印象的だった。
 

 当初、アメリカ政府内では、勝つか負けるかの戦争の中で、美術品などかまってられないという意見もあったが、そこを押し通して学者たちが立ち上がる。

 当時の日本でも同じような動きがあったかもしれないが、堂々と意見ができ、かつ意見に耳を傾ける軍や首脳部を持つアメリカ。戦時でも気高い文化意識がある国を日本は敵に回して戦っていた。 
 直接戦闘の勝ち負けに関わらず、また多くのリスクを踏んでも、人類の貴重な財産を後世に引き継ぐというブレない強い意志に、戦争映画の中でも清々しさを見ることができる。この映画は、美術品奪還に焦点を当てているので、戦争映画にしては流血が少ないので、血が苦手な方も観られると思う。


 映画に登場する奪還に成功した美術品を実際に見てみたい。戦争映画でありながらも、美術に関心を寄せる映画でもある。ある人が自分の命を懸けても守るに値するものという視点からも、奪還に成功した美術品をいつか見てみたい。

 

※この映画は、日本では公開中止になり、海外でも公開延期や打ち切りになった例が多いらしい。その理由は不明だが、憶測としてはそのほかの戦争でも美術品の略奪例はいくらでもあり、そのままになっているということ。「美術品を奪還し元に戻すこと」が賞賛され英雄視されるほど、日本を含め不都合な国が多くあるということだろうか。

 


※映画でキーワード的に登場する2つの美術品

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ミケランジェロ・ブオナローティ - Wikipedia


 

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ヘントの祭壇画 - Wikipedia

 

 

ミケランジェロ・プロジェクト [DVD]

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