流行りもの本質をつかむこと
小説(ミステリー)が好きで、たまに読む。
毎年多くの本が出版されているが、本を読まない時期もあるし遅読ということもあり、話題性に追いつかない。そこで、このミスなどのランキングを参考にするが、タイトルとかあらすじを見て、うーん、面白いのかなと二の足を踏む。
しかしだ。過去のランキングトップの作品を読んでみたら、これが確かに面白い。たとえば「この女アレックス」「悲しみのイレーヌ」。
流行とかベストセラーは斜に構えてしまうところがあるが、やはり多くの人に人気のものには、何かがあることと、流行はマーケティング調査という観点からも、素直に従ってみることも大事だろう。
とくに商品企画に関わる人たちは、今、世間でどういうものに関心があるのか、どういうものが流行るのかを知る必要がある。流行しているそのものというよりは、その背景や本質や感覚を掴むことは、ある種の仕事をするうえで大事だ。
「鬼滅の刃」だって、その本質を探ると時代が求める要素が見えてくるかもしれない。
流行っているから避けるのではなくて、少しかじってみる。そうすると実はがっつりとはまってしまうことだってある。はまれることは楽しいことだし、それを見逃すことはない。
新型コロナに対する認識の変換という選択肢
映画や小説のような世界が展開している。
世界的に新型コロナウイルスの感染が拡大し、新規感染者の増加の波が途絶えず、終息する気配がない。まさにパンデミック。映画や小説ではワクチン開発が成功して、危機を脱するか、世界の大部分が消滅することになる。
リアルな世界では、日本では第3波の中にある。
グラフの波を見ると、回を増すごとに大きくなっている。次の第4波は、1月から2月ごろで、1日最大5000人もあり得るのかもしれない。
日本での新型コロナ感染者の死亡率は約1.5%程度となっている。
100万人の患者がいれば、単純に1万5千人が死亡することになる。
季節性のインフルエンザの致死率は、新型コロナよりも低いとされているし、インフルエンザの抗ウイルス薬は存在するので、やはりインフルと同じ対応ではいけないのだろう。
しかし、経済活動が大事だとして、いろいろな政策が出ている。
おそらく限定的な効果しかない。世の中の認識として、新型コロナへの不安と恐怖が根本的にある。中途半端でしかも矛盾している。
今後、ワクチンや特効薬の開発が期待されているが、普通の風邪ですら特効薬がないので、劇的な薬ができるとは想像しがたい。
そこで、認識自体を根本的に変えてしまうということも考えられる。
つまり、新型コロナウイルスは「通常の風邪」と捉えて、以前のように何もなかったかのように暮らすことだ。
そして、罹患して、しんどくなれば(重症化すれば)病院に行く。
おそらく、インフルエンザでも普通の風邪でも、こじらせたり、疲労が激しいときなどは、持病との関係もあって今まで重症化し、あるいは亡くなった方も少なからずいるのではないかと思う。そのような現象がやや強いと捉える程度で、前のような生活をしてしまうというのも、アリなのではないか。
第4波で一日5000人の患者が発生すると、医療がもたないだろう。
そうすると、違う疾患の方への影響が大きい。
また、飲食を中心に経済的ダメージが大きいが、別の業種にも波及してくるだろう。要するに、一部の方だけでなく、社会、経済全体的に深刻なダメージが生じる。
ゆえに、一層のこと、普通の風邪と捉える認識の変換も、選択肢としてあるということだ。
それにしても、仮に1.5%の死亡率だとすれば、1000万人が感染すれば、15万人くらいが亡くなることになる。主には高齢の持病がある方々になるだろうが、流行り病での大量死は太古からある人類の歴史でもある。
「鬼滅の刃」は、短いところに魅力がある
映画「鬼滅の刃」が快進撃しているようだ。私も映画館で観てみたい。
子供からの影響で、アマゾンプライムでアニメを一気に見てしまった。
最初は、結構グロいなと思いつつも、ぐいぐいあの世界観にひきこまれた。幅広い世代の関心を得られると、映画でもなんでも大ヒットする。「鬼滅の刃」もそういうことだろう。コロナ禍のなか景気の良い話は歓迎したい。
「鬼滅の刃」の漫画は、全22巻で完結したそうだ。長々と続く漫画が多いなかで、22巻というのが新鮮で爽やかに潔く感じる。まさに、22巻に全集中ということか。
そもそも漫画が100巻も続くと話の顛末がわからなくなるし、本を買う場合は物理的な収納に困るだろう。2、30巻程度で終わるのがいい。
あの横山光輝氏の三国志だって60巻なのだ。だから、60巻を超える漫画ならば、三国志以上の壮大な物語でなければならない。しかし、実際はダラダラとした話を繰り返していたりすると、作品自体が締まらなくなる。営業的な都合で終われないのだとしたら、物語は長いだけで、陳腐でつまらなくなっていくだろう。長すぎる漫画は、物語のイメージは浮かぶが、特に中高年にとっては具体的なストーリーとして訳がわからなくなる。長い分、話がボヤけてしまうのだ。
有終の美という言葉のとおり、少し短めで終わる方が、よりその作品の魅力が増す。惜しまれるくらいで丁度良い。